2024年以降、金融庁ガイドライン強化によって銀行のマネロン対策が大幅に厳格化しました。特に設立直後で外国資本のみの法人が「今すぐ」口座を開くのは難易度が高く、メガバンクだけでなくネット銀行でも事業実体を定量的に証明できなければ審査落ちが目立ちます。本稿では最新の審査ポイントと成功事例を整理します。
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1. 法人形態と信頼性の影響
一般的に株式会社(KK)のほうが合同会社(GK)より信用力が高いと評価されます。大手銀行ではKKが前提条件になることもあります。ただしGKでも資本金と事業実体を明確に示せば開設可能です。ネット銀行や信用金庫でGKが承認された事例もあります。
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2. 代表者の居住地と本人確認
銀行は実質的支配者(UBO)と代表取締役の居住地を重視します。代表者が海外在住の場合は
日本在住の取締役または業務執行社員を設置
オフィス写真と賃貸契約書を提出
来日面談や在留カード提示を行う
といった追加対応が必要です。
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3. 事業実体と提出資料の精度
ペーパー会社と疑われないために、次の資料をそろえます。
日本語の事業計画書やサービス説明書
発行済みの請求書・見積書写し
登記簿謄本 定款 印鑑証明書
オフィス写真 契約書 固定電話証明
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事例紹介
資本金500万円でGKを設立し、大阪市内で賃貸業を開始した法人の例。代表者は台湾在住だったが、日本在住の共同出資者を取締役にし、事業計画書 管理契約書 オフィス写真を添付。さらに司法書士の紹介状を添えた結果、地方銀行で約3週間で口座開設に成功した。ポイントは日本在住取締役の配置と提出書類の整合性。
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まとめ(Takeaway)
審査は設立直後 外国資本 実体未整備の三条件で極端に厳しくなります。日本在住責任者 リアルオフィス 具体的売上計画を示し、専門家紹介を活用することで承認率が向上します。準備期間を見込み、登記後1〜3か月は代替決済手段を確保しつつ申請するのが実務的です。

