民泊運用の「180日」上限を守るための実務ポイント

2025.10.10

目次

民泊投資では、特区民泊を除く届出型の運用において、住宅宿泊事業法に基づく180日上限と届出と運営管理を外さない設計が収益とリスクの分岐点になります。今日は「数値で管理する」実務を簡潔に整理します。

1. 届出と運営体制

運営前に所管行政への届出を行い、標識を入口に掲示します。遠隔運営や複数物件の場合は、国土交通大臣登録の住宅宿泊管理業者と契約し、苦情対応窓口清掃と鍵管理の体制を明記します。本人確認宿泊者名簿の整備は初回から徹底します。なお本稿は住宅宿泊事業法の届出型を前提としており、特区民泊旅館業法の許可型は本文の数値制限が異なるため対象外です。

2. 運用ルールの数値管理

提供日数は年間180日以内が上限です。カレンダーは自動カウント機能で残日数を常時表示し、残り10日を切ったら販売停止または最低宿泊日数の引き上げルールを事前に設定します。宿泊者名簿3年保存し、チェックイン時の身分確認を標準化します。消防煙感知器、消火器、避難経路表示の点検記録を運用台帳に紐づけ、清掃時に同時確認できるチェックリストを用意します。

3. 収益計画と税の考え方

上限180日を前提に、平均客単価(ADR)と想定稼働で売上を見積もります。例としてADR 12,000円、販売可能180日、稼働70%なら販売泊数126泊、年間売上は約1,512,000円12,000円 × 126泊)。税区分は提供サービスの厚み次第で不動産所得または事業所得の判断となり得ます。帳簿整備と青色申告65万円控除の要件を満たす記帳体制を初年度から整えます。

4. 事例(ワンルーム運用)

25㎡のワンルームを週末中心にカレンダー公開し、平日は清掃とメンテに充てる設計。ADR 14,000円、公開150日、稼働85%なら販売泊数127泊、年間売上は約1,778,000円14,000円 × 127泊)。清掃費 4,000円/回はゲスト負担とし、残日数15日を切った段階で長期割引を停止して単価を維持します。

5. まとめ(Takeaway)

民泊運用の最大制約は180日です。日数管理の自動化名簿3年保存消防と標識の適正を土台に、販売日数の配分とADRの引き上げで収益を最適化しましょう。初期に仕組み化すれば、法令順守と収益最大化は両立できます。

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