現金購入 vs ローン活用
―数字で見るどちらが本当に得か
「ローンを使えばレバレッジ効果で利回りが上がる」——これは正しいですが、為替リスク・金利上昇・諸費用を含めた全体像を見ないと判断を誤ります。この回では、海外在住の外国人投資家の視点から現金購入とローン活用を数字で正直に比較します。
シミュレーション前提条件
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 物件価格 | 5,000万円(東京23区・区分マンション) |
| 表面利回り | 4.0%(年間家賃収入200万円) |
| 実質利回り | 3.0%(管理費・固定資産税・空室リスク等を差し引き) |
| ローン条件 | 借入3,500万円(自己資本1,500万円)・金利2.5%・35年返済 |
現金購入 vs ローン活用:結果比較
| 比較項目 | 🅐 現金一括購入 | 🅑 ローン活用(頭金30%) |
|---|---|---|
| 自己資金 | 5,000万円(全額) | 1,500万円(30%) |
| 年間実質収益 | 150万円 | 150万円 |
| 年間ローン返済額 | なし | 約166万円 |
| 年間キャッシュフロー | +150万円 | ▲16万円(マイナス) |
| 自己資本利回り(CF基準) | 3.0% | マイナス |
⚠️ 金利2.5%・35年のローンでは、実質利回り3.0%の物件はキャッシュフローがマイナスになります。損益分岐点は「金利1.5%以下かつ実質利回り4%以上」の組み合わせです。日銀の利上げ局面では、この条件はさらに厳しくなります。
海外在住投資家が現金購入を選ぶ4つの合理的な理由
① 非居住者ローンの金利は高い
非居住者向けローンは2%超が一般的。実質利回り3%前後の都内物件では利回りを上回りやすく、レバレッジ効果が出にくい構造になっています。
② 為替リスクが増幅される
円建てのローンを抱えると、円安→円高反転時の損失が元本・返済の両面で拡大します。現金購入であれば元本の為替換算リスクのみに限定できます。
③ 手続きが圧倒的にシンプル
現金購入は融資審査・書類準備・来日・銀行口座開設など複雑なプロセスが不要で、取引がスムーズに進みます。
④ 資本保全の発想
海外在住の多くの外国人投資家は利回りより「安定した資産保全」を重視します。キャッシュフローのマイナスを嫌う傾向が強く、現金購入の方が投資スタンスに合致するケースが多いです。
次回予告|第5回(最終回)
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本シミュレーションは一般的な理解を目的とした試算例であり、実際の収支を保証するものではありません。不動産投資はリスクを伴います。専門家にご相談のうえ、ご自身の判断でご検討ください。
